我が家に黒のラブラドールを迎え入れたのは長男が13歳、長女が11歳、次男が9歳の時です。親戚を通して8匹生まれた中で最後に新しい家族が決まった、兄弟姉妹の中で一番小さな女の子でした。迎えに行ったのは、お父さん、長女、次男でした。車で一時間半の道中、家族と離れ寂しさと不安で「クークー」と泣き続け長女が抱っこしてきました。
名前は呼びやすく難しくなく女の子ということで、ハナと決めました。家に入ると好奇心旺盛にあちこち散策して歩きすぐ慣れました。夜寝るときは流石に寂しくなったのか「クークー」となき用意してあったハナ専用のクッションからジワリジワリと私の所に動きあまりの切ない鳴き声に根負けし、一緒に寝てしまいました。この家でのお母さんは私だと分かったのでしょうか不思議です。大きくなってもそれは続き布団をひくと一番に「お先に失礼寝かせてもらいます」という感じで寝ていました。お腹を上に向けてぐっすり寝る姿は本当に可愛くて癒されました。
毎日散歩に連れて行ったり、ぬいぐるみやボール投げで遊んだり、ハナは我が家の人気者です。学校や仕事から帰ってきた人を一番に迎えるのはハナです。毎回シッポをブンブン振っておまけにめちゃくちゃ可愛い笑顔で!が、この笑顔は家族にしかわからなくて、たいていの人は牙を出して怖いと後ずさりするのです。ハナは心から友好的に満面の笑みで歯をだして笑顔を作っているのに・・・無言でナデナデです。
ラブラドールは泳ぎも得意という事もあって河原にもよく連れて行って遊びました。川に流木を投げてやると泳いでとりに行って持ってくる。この時もシッポをブンブン振って楽しそうでした。
その日は暖かい日でした。長女と次男と私でいつものように川に遊びに出かけました。流木を投げてはとってくるを何回か続けているうちに思いのほか遠くまで飛んでしまいました。前日の雨の影響か水も増えていたようです。なかなか戻ってこれないハナを見て「なんかハナ疲れてきてるよね、少し流されてない?」と私が言った所、長女がバシャバシャとハナを迎えに行ったのです。長女の膝ぐらいの深さでした。すぐハナを抱っこして連れてきました。その動きの速さに驚きましたが、無事に戻ってきてくれて本当にホッとしました。ヒヤッとした思い出です。
そんなハナも13歳で亡くなりまた。
ハナが亡くなって一年後長女が結婚しました。遠く離れた沖縄での結婚式でした。その教会は全面ガラス張りで沖縄の景色が見える素敵なところでした。もちろんハナの写真も持っていき家族みんなで列席しました。神父さんとの誓いの言葉と式が進む中正面の窓の外に黒ラブが散歩する姿が目に入りました。「あ、ハナ」家族全員が見ました。もちろんそれは本物のハナでありません。地元の黒ラブを飼ってる家族です。でも私は「ハナも一緒に参加したかったんだな家族だもんね」と涙が止まりませんでした。こんな事があるんだなとびっくりしました。こんなタイミングで黒ラブが通るなんて!ハナがも祝いにきてくれたんだね。ありがとうハナ、姿も見せてくれてありがとう!何よりのお祝いだね。